2022年を振りかえる

 お正月、ほんとうに一瞬でしたね……。しかし私は年末年始のちょっと畏まった挨拶やら節目感やらは肩に力が入ってしまい、実はあまり得意ではないのでは、ということに四十年以上自分をやってようやく気づきつつあります。世の中が通常営業に戻り始めると、物足りなさもありつつホッとしてしまうんですよね。
 とはいえまだ松の内ということで、引きつづき2022年を振りかえります。これ、昨年やりそびれてしまったみたいなので、2021年ぶんも合わせてやります。そして初めて作った個人サイトに年越しアンケートを設置して以来、20年ちかく同じフォーマットでやってきたこの振りかえりですが、自分で設定した質問ながら答えるのがしんどくなってきたので、今年から形式を変えてみたいと思います。

【2021・2022 公演】
2021ベスト
『ジュリアス・シーザー』PARCO劇場
『子午線の祀り』神奈川芸術劇場
『ロミオとジュリエット』宝塚歌劇団星組 東京宝塚劇場
『アルトゥロ・ウイの興隆』神奈川芸術劇場

2022ベスト
『ディミトリ/JUGUAR BEAT』宝塚歌劇団星組 宝塚大劇場
『ガイズ&ドールズ』帝国劇場
『ガラスの動物園』新国立劇場

 2021年は15本、2022年は13本でした。ほぼすべて観劇です。2020年のまとめをしたとき「ライヴ参加回数が0にならなかった」ことに安堵したのですが、2021年はとうとうバンドのライヴには一度も行かず、26年間続いたライヴに行く人生が無期限休止してしまい、2022年も再開しないままでした……。
 2021年のオールフィメール『ジュリアス・シーザー』はすごく心に残っていて、これからたくさん観たいのはこういう舞台です。あとは星組というか、礼真琴さんの歌に入れこんでいる様子があらわれていますね。
 2023年は1月から小栗旬主演の『ジョン王』と星組『ディミトリ/JUGUAR BEAT』の東京公演のチケットを持っていたのですが、明けて一週間経たないうちに2つとも公演中止になってしまってガッカリしています。前途多難だ……負けずにたくさん観ていきたいけど……

【2021・2022 映画】
2021ベスト
『ナショナル・シアター・ライヴ ハンサード』
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』

2022ベスト
『マクベス』
『ナイトメア・アリー』
『ナショナル・シアター・ライヴ ヘンリー五世』

 2021年は15本、2022年は13本で2021年のほうが観ているんですが、よかった! 好きだった! と感じられる作品が少なく……
 この中では2022年の『ナイトメア・アリー』がダントツで好きな映画でした。ストーリーも画面も出演者もすべて素晴らしかったし、テーマもすごくよかったです。

【2021・2022 展覧会】
2021ベスト
生命の庭 庭園美術館
マーク・マンダース 保管と展示 東京都現代美術館
Collection 40 セゾン現代美術館

2022ベスト
ダミアン・ハースト 桜 国立新美術館
ゲルハルト・リヒター 国立近代美術館
モネからリヒターへ ポーラ美術館
李禹煥 国立新美術館

 2021年は13、2022年は20で展覧会だけは2022年のほうがよく行っていたようです。2021年はとにかくマーク・マンダースがよかったです。年間ベストというか、この5年ぐらいでいちばん好きだったかもというくらいに好きでした。本展示(マーク・マンダースの不在)を観に行けなかったのが悔やまれます。パビリオン・トウキョウと水の波紋をはしごした夏休みも忘れがたい。
 2022年はトークンアートセンターで観た「調教都市」も小さな展示でしたが印象に残っています。

【2021・2022 配信】
2021ベスト 『眠れない夜なんてない』青年団

 2021年は21本観ていた配信ですが、2022年はなしです。感染症はまだ収束していないものの、舞台界隈も元に戻りつつあるのか、2022年の私に配信を観る気力がなかったのか(生の舞台を観るよりある意味でエネルギーが要る)。あるいは「公演中止」が「緊急事態宣言で観客を入れられない」という事態から「関係者の体調不良でそもそも上演ができない」に変化したということもあるかもしれません。
 ともあれ2021年いちばん印象に残ったのは『眠れない夜なんてない』です。『バッコスの信女―ホルスタインの雌』といっしょにauで100円くらいで配信していて、せっかくだからこっちも観ておくか……ぐらいの気持ちでスマートフォンの画面で観たのですが、ほんとうによかったです。いつか再演されたら必ず生で観たいです。

【2021・2022 本】
2021ベスト 『人新世の資本論』斎藤幸平 
2022ベスト 『浜辺の村でだれかと暮らせば』孤伏澤つたゐ

 毎年、振りかえりながら「あれっ今年ってもしかして一冊も本を読んでいない……?」と震えています。結果3冊ぐらいは読んでいるんですが、でも年間10冊も読めていない……ほんとつらい……。今年は月に一冊ぐらいは読んでいきたいです……

【2021・2022 その他ハマったもの】
2021 『陳情令』
2022 『怪物』

 東アジアのコンテンツの勢いのすごさを感じています。『陳情令』は周囲にも観ているひとがたくさんいて楽しかったな……気がつけば家族も『陳情令』『山河令』を経て中華ドラマ沼にずぶずぶになってしまった。
 そして『怪物』、ほんとうにドラマを作るのがうまくて毎回感動していました。ああいうドラマを作れる韓国に嫉妬……
 邦画や邦ドラマはほぼまったく見なくなってしまいましたが、そういや『鎌倉殿の13人』は途中からだけど最後まで楽しみました。

 2022年は職場でも家庭でも今までやっていられた「気楽な独身」でいさせてもらえなくなり、かなり追い詰められ感のある一年でした。とくに問題解決できないまま年を越してしまったのですが、とりあえず今年は意識してプライベートの好きなことに力と時間を使いたいと思っています。去年は仕事で疲れ果てて趣味に回すエネルギーがなくなってしまい、ずっと虚無感に襲われていたので……。とにかく読むこと・書くことができなかった挫折感が深いので、取り戻していきたいです。
 そのうえで環境も変えていきたい……いま、ロシアのウクライナ侵攻をはじめ世界的につらいニュースばかりで、つい「私は今のところごはんが食べられて眠る家もあるのに何のつらいことがあるんだ」みたいな思考になりがちなのですが、それはそれ、これはこれ、私のつらさは私のつらさ、で落ち着いて対処したいです。現実が厳しいからこそ、「どこへでも行ける」という気持ちは常に持っていたいなと思います。

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