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2021年 ありがとうございました

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 日本海側を中心にずいぶん雪が降っているようです。東京もいつ雪がちらついてもおかしくない、厳しい寒さの大晦日です。みなさまいかがお過ごしでしょうか。  昨年もそうだったのですが、年末怒涛のように押し寄せてきていたライヴの予定がなく、今年は21年欠かさず参加していたBUCK-TICKの日本武道館公演にも行かなかったため、余裕があるかと思いきやとくに何もできないうちに年が変わりそうです……。この記事も相変わらず、あと数時間で新年、というタイミングで書いています。  今年の振りかえりをするにあたり、2020年の振りかえり記事を読み返していたら思っていたより内容があって、えっそんなにやってたっけ?! となりました。いや去年もとくに精力的に書いていたわけではないので、今年はほんと絶望的にサボっていたという……。そもそも書くことなんかないし書かなくてもいいか……とも思ったのですが、反省と、あと告知も兼ねて2021年の作文関連をまとめます。 【同人誌・企画など】 『日記に幕は下りません』  2019年11月から2020年10月まで、オンラインで公開していた笠木拓さんとの交換日記「日記に幕は下りません」が本になりました!  詳しくは こちら に書いたのですが、12月25日から BOOTH で通販のお申し込みを受け付けています。年明け以降はイベント頒布や書店委託も予定しています。  新たに書き足したのはあとがきぐらい、文字組みをはじめ入稿作業のほとんどを笠木さんが引き受けてくださって、私は表紙データを作ったぐらいなのですが、本を作るのってやっぱりバタバタするんだな……としみじみ思いました。2年ぶりだったからだろうか……。印刷屋さんからのダンボールを開いて出来上がった本を手に取る喜びも久しぶりに味わいました。本文色刷りで瑠璃色の文字色がチャームポイントのかわいい一冊に仕上がりましたので、ぜひお手に取ってみてください。 「海の楼」  島アンソロジー  #貝楼諸島より  に参加するために書きました。一応、架空の旅行記のつもりです。  瀬戸内海の島をぼんやりイメージしつつ、体験としては大学生のころに友だちと行った沖縄旅行を思い出しながら書きました。パイナップルパークに行ったんだよな……もうぜんぜん覚えてないけど……。  ほんとうは八月ぐらいにアップしたいと思っていて、それがダメでも Kagu

海の楼

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島アンソロジー  #貝楼諸島より   参加作品です。    夏になるときまって四半世紀ほど前に旅した貝楼諸島のことを思い出す。人には話したことがない。だれも貝楼諸島のことを知らないからだ。そんな島、あったっけ、そういって首をかしげられる。たしかに地図を見ても見あたらない。旅の道連れだったZとは、音信不通になって久しい。  インターネットで検索しても手がかりはなかったのだが、今年になって、ウェブ上に「貝楼諸島」でヒットする記事があらわれた。六月ごろからぽつぽつと出現し、少しずつ増えていく記事を、私は見つけしだい読み漁った。記事はどれも魅力的で、興味深かった。けれどそこに登場する貝楼諸島はちぐはぐというか、記事によって島の名前も様子もバラバラで、私の記憶とも一致しない。もともとわからなかったことが、よけいにわからなくなってしまった。  しかたがないので、私も、私が覚えている「貝楼諸島」を書いてみることにする。  貝楼諸島のなかでもひときわ小さな島、佐可島での短い夏休みの思い出を。  島への旅行に私を誘ったのはZだ。その年、私は瀬戸内海の島々で開催される国際芸術祭に行くつもりで楽しみにしていたのだが、直前で開催じたいが中止になって、しょげていた。Zが私のために大学生協で探してきたパック旅行は法外に安く、パンフレットに掲載されているうつくしい写真の海は、赤文字で大きく書かれた値段で行けるとは信じがたかった。交通費もホテルも込みでこの価格なんて何かの間違いなのでは、と私があまりに疑うので、しまいにZが拗ねてしまった。  実のところ、私はZと二人で旅行をすることに浮足だっていたのだ。Zもそうだったのかもしれない。私たちはふたりとも、写真と価格しか見ていなかった。指定された宿泊先が、本島ではなく佐可島にあることに気づいたのは、代金をすっかり払ったあとだった。しかも本島へ渡るフェリーはずいぶん中途半端な時間を指定されていて、本島から一日二便の高速船に乗り換えて佐加島に着くのは、夜だった。帰路は逆で、朝の便で本島に戻らなければならない。二泊三日といっても、実質は一日間のようなものだった。  綿密な旅程を練っていたわけではなかった(そういう堅実さがあれば、そもそも宿の所在地や到着時刻の確認をせずに安値に飛びつきはしなかっただろう)が、めいめいにお目あてはあった。私は海上に張り出すように

『日記に幕は下りません』が本になりました

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 2019年11月から2020年10月まで、 ここ に掲載していた歌人の笠木拓さんとのオンライン交換日記『日記に幕は下りません』が本になりました。 文庫版(A6)|172頁|フルカラー表紙・本文色刷り  シンプルかつ端正な本文は笠木さんが組んでくださいました。本文を瑠璃の色刷りにしているため、よりいっそう紙面のかわいさが際立っていると思います。表紙は柳川が担当しました。  今年の年明けぐらいからじわじわ作業はしていたのですが(私のあとがきの日付がたしか5月です)、明確なデッドラインもなかったためついのんびりしてしまい……年内に本のかたちにできてよかったです。笠木さん、お忙しいなかありがとうございました!  2 021年12月25日より、笠木さん・柳川それぞれのBOOTHで通販の受付を開始しています。  年末年始の郵便事故回避のため、発送は2022年1月5日以降です。  今なら(今だけ!?)おまけペーパーがつきます。 みなそこすなどけい 痛覚  また、下記の イベントでも頒布予定です。 2022.1.16~2021.3.21 第2回文芸同人誌プチマルシェ 2022.5.29  第34回文学フリマ東京   第2回文芸同人誌プチマルシェは 高志の国文学館 ミュージアムショップでの委託販売だそうです(新型コロナが落ち着いていてくれればぜひ現地に伺いたく思っているのですが、どうでしょうか……感染拡大しないことを祈ります……)  第34回文学フリマ東京はまる2年ぶりに【痛覚】で参加いたします。   そのほか、書店委託もお願いできるみたいです。おいおいお知らせいたしますので、気にかけていていただけるとありがたいです。  まったく意図していなかったことですが、新型コロナウィルス感染症が出現する直前から、世界がどんどん変わっていく一年間の記録になってしまいました。また、私にとっては、ほぼ十年にわたる気ままなひとり暮らしの最後の一年でもあります。日記のトピックはささやかなことばかりですが、書き残しておいてよかったと心から思います。  ウェブでお読みくださっていたかたもそうでないかたも、お手にとっていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。