誕生日を祝えなかった

  十一月二十七日が誕生日だったのですが、ちょうどその翌日からの三日間(つまり今日までの月・火・水)に気が重い予定がみっしり詰まっており、とても祝ったり祝ってもらったりできる気分ではありませんでした。家族がごちそうを作ると言ってくれたのも断った結果、日曜日で同居の家族が全員家に居たにもかかわらず誰からも「おめでとう」を言われずに終わりました。
 まあ、私に「おめでとう」を受けとる用意がほんとうに一切なかったからなあ。しかしとりあえず重荷だった用事が一段落し、余裕がうまれた途端に自分がちょっと可哀想になり……やはり何より自分で自分を祝ってやらなければなんだよな。というわけで今からでも自分を祝ってやることにします。ハッピーバースデー、私。

 誕生日は一日ひとりで過ごそう、遠くへ行きたい、海が見たい、とかいろいろ夢想していた瞬間もあったのですが、家でボーッとしているのが精一杯でした。二十日の文学フリマを皮切りに、宝塚大劇場まで星組公演を観に行ったりして、今年いちばんの楽しい週でもあったけど忙しかったんだよね。

 今年は何をしていたかというと、勤務先で溢れんばかりの業務に追われまくる以外では転職活動を始めてすぐやめました。ほんとにすぐやめたという体感なんですが、八月末に転職エージェントサービスに登録し、十月のあたまに中断したい旨を連絡したので一応ひと月ぐらいは活動していたようです。一か月なんて一瞬か……
 いやほんと二月に異動して以来めちゃくちゃ仕事がしんどくて、でも四十代を過ぎると求人も目に見えて減るというし(実際あんまりうまく探せなかった)、なんだかんだ十年以上いまの会社に勤めていて慣れてしまったし、今更転職なんて……留まりたくはないけど出ることもできない……みたいな煮詰まり方をしてしまったんですよね。で、衝動的に転職活動を始めてけっこう真面目に進めていたというか、とにかくどんどん応募しろというエージェントの指示通りにアプリでぽちぽち応募していたんですが、一次面接に到達したあたりで転職活動のストレスが現職のストレスを上回り、進められなくなってしまったという。
 しかし十年以上ぶりに面接を受けてびっくりしたのが、この期に及んで新卒時のブランクをつっこまれたこと。私は大学をストレートで卒業していないうえに、新卒時は就職活動をせずにぶらぶらアルバイトをしていて、二十代の終わりに現在の勤務先に潜りこむまではそこをごまかすのにけっこう苦労したものの、そのあとはずっといわゆる「正社員」をやっていたので、さすがにもう大丈夫かと思っていたんですよ。そうしたらそこを深堀りされて戸惑いました。正直に「氷河期で就職できませんでした」って言ったけど。すごいなー、今となってはこんなのぜんぜん大したことない瑕疵だと思ってたけど、それでもなんかごちゃごちゃ言われるんだなー。

 そんなこんなで久しぶりの転職活動という現実逃避にいったん見切りをつけ、諸事情で当面は現職を離れられないことも判明し、ついでにやっぱり「真面目に小説を書くしかないのか……」という結論に達しました。最終的にはいつもここにしか戻ってこないんですが……辛すぎてつい現実逃避をしてしまう……

 真面目に小説を書きたいです。来年こそは(この先送り癖が良くないのでは?!)今年もまったく何も書いていないわけではないけど……。小説を書けないのは小説を読んでいないからだ、というあたりまえすぎる真理に今さら到達したので、まずは小説を読むことを取り戻したいなと思っています。亀の歩みで読んでいる『蒼穹の昴』を読み終わりたい。


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