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Aスペクトラムの物語について、最近思ったことなど

 登場人物の「アセクシュアル/アロマンティック」「デミセクシュアル/デミロマンティック」などの属性を、ズバリのワードで明示しないと伝わらないっぽいことがほんとうに悔しい。  わかるでしょ? の目配せだけだと「異性愛読み」にのみこまれるから明示してほしいという気持ちも、登場人物のセクシュアリティを明示しない(できない)作者の都合もどっちも理解できると思う。そのうえで私は自作の登場人物のセクシュアリティを常に開示する「義務」(とあえて書くよ)はないと思っているし、明示してくれと迫られたらすごくつらい気持ちになってしまう。  このひとこそは……! と期待していたキャラクターが結局は恋愛/性愛/結婚し、そのことに傷つき、傷ついた自分が「未熟」なんだ……と自分を責める、というのをこれまでずーっと繰り返してきて、今でも繰り返しているので、もう中途半端に期待させないでほしい、初めからはっきり示してほしい、これ以上「裏切られた」と思いたくない、という感情は私も持っているつもり、なんだけど、ううむ…  ここはほんとうにめちゃくちゃ人によるので、絶対に一般化できない、どこまでも「私の場合」でしかない話だけど、私は登場人物のセクシュアリティを詳らかにするよりはまだ「Aスペクトラムでフィクトセクシュアル(たぶん)の人間が書いている」ということを押し出していくほうがずっと耐えられる、し、今後はそうしていこうかなとも思っている。  何もかも、黙っていると作者も登場人物もすべて「異性愛者」にされてしまう世界のせい。 「勘違いかもしれない」と怯えたり萎縮したりせず、ちょっと親しげな男と女とみれば気軽に「恋愛関係」とみなしてカップリングする世の多くの人たちのように、それらしい関係を見つけ次第「これってアセク/アロマでは?!?!」と軽率にAスペクトラム読みを開陳していくのもいいのかもしれない。  Aスペクトラム表象は間違いなく少ないんだけど「ズバリの語は出していなくてもAスペクトラム表象なのに、そのように受け取ってもらえない」というケースもある、と思っているので。  文学フリマでブースにいらしたかたに「『 ロータス 』のような話にはなかなか出会えない」と言っていただいたことが何度かあって、「主人公が恋愛せず、独り身を貫く」物語の少なさを痛感したこともあった……Aスペクトラムの物語、出てきてはいるのだろ...

文学フリマ東京38 ありがとうございました

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  先日の文学フリマ東京に参加されたみなさま、お疲れさまでした。いやー、人が多かったですね……!  ひとりでブース運営していたためあまり出歩けず、開場直後と終了前にダーッと場内を走り回って最低限のご挨拶とお買い物をなんとか済ませる……という感じで、ぶらぶら見て回る的なことがまったくできず……ゆっくり見たい気持ちもあったのですが、ひとりではもうほぼ不可能かも……  今回入手した本は以下です。 『倒錯ロミオ』(おがわさとし) 『兎島にて』(孤伏澤つたゐ) 『世涯ノ兎島ニテ幻覚ヲ見タルコト』(孤伏澤つたゐ) 『平面と立体』(佐々木紺) 『もうずっと静かな嵐だ』(そらしといろ) 『存在のいつ終わるとも知れぬ星々』(壬生キヨム) 『似而非氏との夜』(壬生キヨム) 『蝶』吉屋信子 『クィアフェムによる恋愛ZINE』(水上文、近藤銀河、中村香住、瀬川貴音) 『現代詩手帖 2024年5月号 パレスチナ詩アンソロジー』 (順不同・敬称略)  そんな大盛況のなか、お話してくださったかた、痛覚にお越しくださったかたに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました!  二年ぶりに『ロータス』のあるイベントでしたが、物質の存在感的にも頒布数的にも頼もしさがすごかったです。以前に読んだ、と話しかけてくださるかたもいらして、大変うれしく思いました。迷ったけれど新装・増刷してほんとうによかったです。細く長くお届けできたらと思っていますので、ご縁がありましたら手に取ってみてください。  あと『胡蝶』を手に取ってもらえると尋常じゃなくうれしいということがわかりました(笑)いや、読んでいただけるのはどの本でもめちゃくちゃありがたくうれしいのですが、『胡蝶』にはやはり謎の思い入れがあるらしく……ありがとうございます……。  なお、持ち込んだ本はすべて BASE からも入手可能です。『4:00』の残部がほんとうに僅少になってまいりました……!  以前から参加していなかったわけではないですが、いわゆる「商業作家」さん、出版社、書店などのブースも目立つようになりました。それだけ文学フリマがメジャーな存在になったというのもあるでしょうが、商業の市場が閉塞しているからアマチュア主体の場にまで食い込んできているのだな、というのが個人的な印象です。  某文芸誌のブースを見て、あっ商業出版社の編集部が来てもコミテ...